|
 |
プロフィール |
Author:徳衛門
ほんのひとり言
青い空と酒があれば どこだって住めるさなどと 若者じゃあるまいし
しかし年は気にせず 姿かたちも忘れてしまい
世間様に恥と顰蹙を 撒き散らしながらも 生きてます
|
|
 |
|
日本とフィリピン 往復おやじのひとりごと フィリピンには愛しき妻子? 日本には世話のやける爺婆? こちらを立てればあちらが立たず? どちらに行っても肩身がせまい・・・ ハズですが・・・ 大きな顔してエンジョイしてます |
村田先生 |
私が中学生だったころ、、、
学生運動の映像がよくテレビに映し出されていた時代でした
70年安保だったか
「安保反対」「沖縄を返せ」「ベトナム戦争反対」「ベトコンを救え」
いろいろありましたよね
ヘルメットにタオルで顔を隠し 角材持って機動隊と激突
今から考えると 本人たちは必死だったのでしょうが
そのころ担任ではなく社会科の先生でしたが村田先生という人がいました
ある日の授業中、クラスの全員に
「沖縄は日本のものだと思うか?」
全員「はい!」
「沖縄返せの叫びは正しいと思うか?」
全員「はい!」
だったら全員で大きな声と右手を拳にして突き上げながら
「沖縄返せ~!」をやろう
先生「そりゃ~~沖縄返せ~~!」
全員「沖縄返せ~~!」
先生「そりゃ~~沖縄返せ~~!」
全員「沖縄返せ~~!」
なかなか気持ちがいいものです
「けっこうけっこう。元気があっておおいにけっこうだった」
ところで、、、、、私からのお願いがある
千島は不可侵条約を一歩的に破ったソ連に奪い取られたものだ
「沖縄返せ」これは大声で何度叫んでもよろしい
しかしそのあと「千島も返せ~~!」
これもついでに叫んで欲しいし、そう願っている
どちらも日本のものだ
また始まりました
先生「そりゃ~~沖縄返せ~~!」
全員「沖縄返せ~~!」
先生「千島も返せ~~!」
全員「千島も返せ~~!」
必死に繰り返します
それが終わると
全員が「沖縄返せ!」だけを繰り返し叫んでいても 自分だけ それがたったひとりだけでも
「そうだ千島も返せ」と叫んで欲しい
まわりから白い目で見られようとも どちらも間違いなく日本の領土なのだから
なかなか話が面白く、薀蓄のある先生でした
あとで私を可愛がってくれていた先生から 村田先生、他の教師から突き上げられて難しい立場にいる
そう聞かされビックリしましたが、、、
ある日
どの先生が休みだったか思い出せませんが 見慣れない教師が入ってきました
とりあえず起立、礼、着席して
開口1番
「あの先生はおかしい。偏向している」そのようなことを言ったのです
それがあの村田先生のことを指しているのは誰しもピンときました
その頃は私も血気盛んでしたし
根っからの単細胞、かつ天邪鬼ですし
とりあえず、、、クラスのボス的存在でしたので
「どうしておかしいのですか?」
「あの人の思想は間違っているし、それを生徒に押し付けようとしている」
「私は間違っていないと思います、どこが悪いのですか?」
「あの人は偏向している」
「お~~いみんな、おかしいと思うか? あの先生、間違っとると思うか?」
「いいや~~」
「そうぜな~~この人がおかしいぜな、この人のほうが偏向しとると思う」
「そうやな~~そうそう この人がおかしいよな」
その先生、、、そのまま授業もせず教室を出ていきましたが、、、
職員室に戻り
私がこのクラスを扇動していると、喚き散らしていたそうです
私にしてみると「???」でしたが、、、
あとで可愛がってもらっていた先生から職員室に呼び出され またしゃ~しい先生たちも私の周りに現れ
囲まれて、、、
「お前な、学校でも社会に出ても しょうもないこと言ったりする人もおるし、起きたりすることもある いちいち角を立てるな
その代わりここぞ、、というときは思い切ってやれ いつもじゃないぞ!いいか!」
納得はしてませんが、とりあえず、、、
「は~い」ト~ンダウンしながらですが、、、
「よし」
この頃の先生、予備士官上がりが多かったですから 返事をしないとビンタ、悪かりゃ鉄拳でしたし
しかたなかったんですよね
そのあとは「また太った」じゃの「身長の伸びが止まった」じゃの
ついでに、、、
「1週間前ぐらい前、あの娘と二人で帰りよったろうが」とか
「3日前はあの娘と二人であの公園におったろうが」とか
「先生たちはお前のことは何でも知っとうとぞ」とか
本当にしゃ~しい人たちで、、、
話がまた飛びました
中学を卒業し、高校に入っても まだ安保反対闘争は続いていました
毎日毎日デモ隊の映像が流れる中でも 興味もなかったし
安田講堂落城もただ「ふ~~ん」と
なぜなら誰も「千島も返せ」と言わなかったらです
この人たちは威勢はいいし マルクス・レ~ニン主義とかアメリカ帝国主義打倒とか声を大にして言っていましたが しょせん操り人形ではないかと
誰なのかはわかりませんが 後ろで必ず彼らをそう仕向けていっている連中がいる
そして、この人たちはそのまま動いている
普通なら
アメリカに「沖縄返せ。沖縄は日本のものだ」 ソ連には「千島を返せ。強奪は許さない」
しかし批判はアメリカ側だけに偏っていますし
どう考えてもおかしいですよね それを疑いもせず必死にやっている連中もおかしい
私は高校1年生か2年生でしたが 大学生をみて
「こいつらアホか?」
そうとしか思えなかったのです
それから歴史の本を読みだしました
なぜこういったことになったのか? たぶん戦争が起こったことによりこういったことになったのだろうが、、、
勉強もせず、ただひたすら乱読につぐ乱読でした
元々頭が悪いのでマルクス理論なんてチンプンカンプンでしたし 唯物史観なんて、サッパリ、、、でしたが、、、
しかし村田先生 良い先生でしたね
たとえ、時流がどうあれ、上の人、先輩たち、まわりの人がどうあれ 片方だけ見て流されたらダメだ
たった一言で明快に教えてくれました
「沖縄返せ!」 「そうだ~!千島も返せ」で、、、
ただ、それから数年後
村田先生は定年を待たずに退職されたそうです
たまには曲でも
かぐや姫「赤ちょうちん」
赤ちょうちん
私の若い頃もこんな感じで、、、
なにか、、、哀しいというか貧乏でしたね
そんな自分を二重映しにして聞いていましたが
安保条約が成立し
学校にも戻れない、故郷にも帰れない 中退では仕事も見つからない
日々の生活のためその当時 土方をしていた人も多かったらしいですね
そういった背景の歌だと後で知り
そうだったのか、、、と
学生たちにマルクス理論で武装することを教え 彼らを煽っていた大学の助手、助教授、教授はそのまま大学に残り
自分は日々の暮らしにさえ事欠いている
辛いものがあったのかもしれませんね
スポンサーサイト
|
|
 |
|