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プロフィール |
Author:徳衛門
ほんのひとり言
青い空と酒があれば どこだって住めるさなどと 若者じゃあるまいし
しかし年は気にせず 姿かたちも忘れてしまい
世間様に恥と顰蹙を 撒き散らしながらも 生きてます
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日本とフィリピン 往復おやじのひとりごと フィリピンには愛しき妻子? 日本には世話のやける爺婆? こちらを立てればあちらが立たず? どちらに行っても肩身がせまい・・・ ハズですが・・・ 大きな顔してエンジョイしてます |
良い日、良い休日 |
12月8日 火曜日
早いものですね 12月に入ったか?と思っていたらもう8日 もう真珠湾の日になってしまいました
実は12月から勤務を夜勤に変えたのです
夜働けば寂しくないし酒を飲まずにすむ もちろん稼ぎが少しよくなるのもありますけど、、、
ただ、、、 あたりまえの人間の生活からは程遠く 身体にはあまり良くないでしょうね
こんなことをリタイアエイジになってからやるというのも どうかと思いますが
世間では意外と多いかも?と
定年したけれど年金満額支給は65歳 かといって雇ってくれるところは少ないし
夜勤だってなんだってやれるものはやるし やるしかない
腹をくくってやっている人たちも私が想像している以上にいるのかもしれない
なんて、、、
いつものごとく、、、
自分に都合のよい解釈をして 自分を慰めています
ただ、、、初めての経験でもあるし
面白がって食らいついていっているうちに 日にちが飛ぶように過ぎ去っていき 昨日の休みを迎えました
日曜日の仕事を早めに切り上げ 月曜の早朝、家に帰り太刀魚の刺身を肴にして酒を飲むと
お酒ってこんなにうまいものなのか?と感動してしまうほど
まあ身体が疲れていますので そんなには飲めず、すぐ寝てしまったのですが 達成感と飲む美酒の味は
また次の休みに楽しむために 休肝日で内臓を休ませ仕事に打ち込んでみよう
そう思わせるほど
ちょっと気持ちが前向きになってきたようで きっと良いことなんでしょう
私にとって、、、
昨日は午前中に起きだし洗濯を済ませ お昼ごろに母の病院に出発
小春日和の中、自転車を漕ぎながら周りを見渡せば
今年の最後を飾るかのように 銀杏の黄色、モミジや楓の赤 あとポプラや欅などの紅葉が彩を競い合い
それに稲刈りが済んだ田んぼでは麦なのか? まだ芽吹いたばかりの若草色が一面に広がり
それが絵のように まるで1枚の写真のように
ひかり輝いています
こんなに日本って美しい国だったんだ
最近、、、時雨ていたし だいたい夜勤ですから風景も眺めることがなく モグラが外に出てきて驚いたようなものです
病院につくと母は寝ていて
「あんたも小さくなったね」
母の寝顔を見て、そう思いました
やがて眼を開け わかるようなわからないような
おでこをなぜ、頬をさすってやると 嬉しいのか?優しい表情をしています
月曜日はお風呂の日ですから シャンプ~で髪がボサボサ
リキッドみたいなものをスプレ~して整えてやって 手を見てみると爪が伸びていますので切ってやり
妹が土曜日に来ていたようですが 日ごろ世話をしていないので気が付かないのでしょう
30分ほどして
「じゃ~帰るね 今夜勤になったので今までのように来れないけれど 今度は土曜日に来るから」
手を振り病室を出ようとすると、突然母が声を出しました
何を言ったのかわからないので 口のそばに耳を持っていくと
「あんた好かん」
片道11km自転車漕いでやってきたのに あんたのくそババアぶりは相変わらずやし 群を抜いとるぞ
そうも思えますが
まあ良い方に解釈して
「私を置いて帰ってしまうアンタが好かん」
そういうことにしておこう そっちのほうがお互いに良いだろうし
また絵のような風景の中、11km戻り 我が家に入る道を素通りして今度は父の病院へ
我が家から母のが東へ11km、父のが西に6~7km どうせなら、、、同じ方向にして欲しかったんだけれど
ただひたすら風景を眺めながらペダルを漕ぐと やがて坂道を登り切り父の病院に
前回の休みに会いに行くと 父は玄関の前に立っていました
鍵がかかって外の出られないのに
寂しそうな表情に寂しい目をしているのが見えます
そして足元に目をやると 小さなゾウリに靴下を履いていません
その姿がなぜか哀しくて、、、
新しくきれいな病院ですし そんなところですからガラスが多く、また大きく使用していて 明るいのですが
その分、父の表情も姿もはっきりと、、、
いたたまれず 「どうしたね?」と父をすぐ食堂に連れていき椅子に座らせて
「靴下は?」
「どこかに忘れてしまったみたいでないんだ」
部屋に行くと持ち物はなく 看護婦詰所で聞いてみると
まだ入院したばかりで観察期間のため 荷物は全部別室で預かっているとのこと
それで靴下を出してもらい 履かせようとすると
薬のせいか手も腫れ上がってますが足はもっとすごく 小さな女物のようなゾウリのため両小指の付け根が当たって痛んでいます
「なんでこんな草履を履いているんだ?」
「洋子さんに別のはないか聞いたんだけど 家に掃いて捨てるくらいあるんじゃないのと言われた」
あのバカ女
自分は何でもわかっているつもりなんでしょうが 実際に自分で世話したことがないので何にもわからないのです
そして自分はわかっているつもりですから見えないし 見ればすぐにわかることなんですが見ようとしない
すぐにゾウリを買いに行きたかったのですが 外は雨だし、もう面会時間を過ぎています
とりあえず靴下を履かせると
「痛みが和らいだ」と、、、
翌日、ゾウリを2足買って持っていくと
「連れて帰って」
「まだ薬の調整中だから外出の許可が下りない もう少しここで我慢して」
「そう言わず連れて帰ってくれんか」
何を言ってもそればかりで堂々巡り
「昼寝したら?」と個室に連れて行っても
「ここには入りたくない」
看護婦さんに頼み、逃げるように外に出ました
そんなことがあったので今回は恐々と病院に行くと
食堂に父の姿が見えて少し「ほっ」としたところ
第一声が「連れて帰ってくれ」
あちゃ~またか、、、
しかし
「今日ハルピンから帰ってきてお金がないから家に帰れない あんたお金持っているやろう ほんの僅かでいいからくれたらバスに乗って家に帰る」
「オレお金ないよ」
「車で来たのだろう?乗せていってくれ」
「オレは自転車」
「自転車じゃ連れて帰れないな」
「満州時代の友人に会いたいけどみんなもう死んでしまった」
薬が強くなっているのでしょう 前回より話がアチコチに飛んで行ってしまってます
哀しいような、、、助かったような、、、
父の顔を見ると髭が伸びていますし爪もまた
今から家に帰ると間に合わないし かといって、、、このままにしておくわけにはいかない
そんな気分になり、考えていると
確か、、、 ここを下ったところにミスタ~マックスがあったはず
それを思い出して、、、
看護婦さんに確認し もう一度戻ってくる許可をもらい
爪切りと簡易カミソリにジェル、肌荒れ防止用のニベアを買って すぐさまUタ~ン
ついでに100円ショップがあればハサミを買って 眉毛と鼻毛も切ってやれるのですが 探す時間もないし
これは仕方ないから次回に
病院に戻り 父を洗面室に座らせ
ジェルをつけて
「う~~ん 切れてない」のカミソリで剃ると 伸びた髭でも目詰まりすることなくスイスイと剃っていけます
父は鏡を見ながら「これは剃れるな」と
ただ、年老いていますし痩せているので凹凸が激しく 剃りにくいところがあります
「口を風船のように膨らませて」
やってみせると父も「ぷ~~っ」と
それで剃りやすくなり
ただ、、、その顔を見ながら
「あんたも子どもみたいになったな」と
口には出しませんでしたが、、、
そんなことをやっていると知らない爺ちゃんが 「きれいに剃れている。私にもやってくれないか?」
「看護婦さんに許可をもらってね」
「どこに行けばいいの?」
「そこの看護婦詰所」
それがわからないような当惑した表情のまま廊下を往復していましたけど、、、
面会時間は4時までなんですが 4時半になり、そろそろと
その気配を察した父は
「もう帰る時間だろう。気をつけて」
すがることなく 無理を言うことなく
私も「良かったな」と家路につくことができました
相変わらず、、、ダラダラと長くなりましたが
なんとなく、、、
12月7日はお日柄もよく
良い休日であり
私にとって良い晩秋の1日でした
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